サァアーェ、濱中若い衆よ、どめこじゃないか、年に一度の、サァーソウリャー、秋祭り
サァアーェ、濱中若い衆よ、しっかりことどめけ、ここは馬場先、サァーソウリャー、宮の庫裏
サァアーェ、濱中若い衆よ、囃子を頼む、囃子なければ、サァーソウリャー、唄えない
サァアーェ、千鳥千鳥はーよ、荒波越えて、越えたところは、サァーソウリャー、泉州路
サァアーェ、沖の暗いのによ、白帆が見える、あれは紀の國、サァーソウリャー、蜜柑船
サァアーェ、沖のカモメによ、潮時問えば、私しゃ立つ鳥、サァーソウリャー、浪に聞け

サァアーェ、安芸の宮島はよ、回れば七里、浦は七浦、サァーソウリャー、七恵比寿
サァアーェ、明日は交番所へ、引かりょとままよ、好きな櫓は、サァーソウリャー、やめらりょか、
サァアーェ、行たら見てこいよ、名古屋の城を、金の鯱鉾、サァーソウリャー、雨曝し
サァアーェ、お医者様でもーよ、草津の湯でも、惚れた病は、サァーソウリャー、治りゃせぬ
サァアーェ、惚れた病でも、治せば治る、好きな御方と、サァーソウリャー、添や治る
サァアーェ、とろりとろりと、廻うのは淀の、淀の川瀬の、サァーソウリャー、水車
サァアーェ、お前百までよ、わしゃ九十九まで、共に白髪の、サァーソウリャー、生えるまで
サァアーェ、俺とお前とはよ、卵の仲よ、俺が白身で、サァーソウリャー、キミを抱く
サァアーェ、俺とおまえとはよ、羽織の紐よ、固く結んで、サァーソウリャー、離れない
サァアーェ、紀州紀ノ川のよ、荒川粉河、おまん包むは、サァーソウリャー、竹の皮
サァアーェ、来るか来るかとよ、浜に出てみれば、浜は松風、サァーソウリャー、音ばかり
サァアーェ、恋し恋しとよ、鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が、サァーソウリャー、身を焦がす
サァアーェ、今夜此処で寝てよ、明日の夜は何処で、明日は田の中、サァーソウリャー、畦枕
サァアーェ、辛苦島田によ、今朝結うた髪も、主とほたえて、サァーソウリャー、乱れ髪
サァアーェ、竹に雀はよ、品良くとまる、止めて止まらぬ、サァーソウリャー、色の道
サァアーェ、立てば芍薬よ、座れば牡丹、歩く姿は、サァーソウリャー、百合の花
サァアーェ、箱根八里はよ、馬でも越すが、越すに越されぬ、サァーソウリャー、大井川
サァアーェ、私しゃ備前のよ、岡山育ち、米の生生る木は、サァーソウリャー、まだ知らぬ
サァアーェ、今の若さでよ、お前さんの器量で、夜妻無いとは、サァーソウリャー、偽りじゃ
サァアーェ、儂ら若い時ゃよ、津田まで通よた、津田の河原で、サァーソウリャー、夜が明けた
サァアーェ、舟を多奈川の、港に入れて、心 小島に、サァーソウリャー、身は加太に
サァアーェ、見えた見えたよ、松原越しに、丸に十の字の、サァーソウリャー、帆が見えた
サァアーェ、何をくよくよ、川端柳、水の流れを、サァーソウリャー、見て暮らす
サァアーェ、青き松葉の、しんてを見やれ、枯れて落ちても、サァーソウリャー、二人連れ
サァアーェ、坂で転んで、提灯消され、明かりとられて、サァーソウリャー、真の闇
サァアーェ、
来いで来いでと、待ち夜さ来いで、待たぬ夜さ来て、サァーソウリャー、門に立つ
サァアーェ、主と別れて、松原行けば、松の露やら、サァーソウリャー、涙やら
サァアーェ、佐渡や佐渡佐渡よ、佐渡今頃は、主はどうして、サァーソウリャー、ござるやら

サァアーェ、信州信濃の、新蕎麦よりも、私しゃ貴方の、サァーソウリャー、側が良い
サァアーェ、赤い顔して茶屋酒飲んで 後の勘定でサァーソウリャー、青くなる

サァアーェ、櫓の囃子によ、太鼓の音に、櫓の唐獅子、サァーソウリャー、鳴いて吼える

サァアーェ、娘、十七、八ゃよ、停車場の汽車よ、早く乗らなきゃ、サァーソウリャー、乗り遅れ

濱中講音頭集
♪ 櫓  節 ♪
♪ 太鼓台担ぎ唄(囃子唄) ♪
♪ ノーエ節 ♪
濱中講で良くとられている音頭を中心に掲載しました。濱中講は、どちらかと言うと『伊勢音頭』というよりも『櫓節』の独自の音頭がとられています。囃子の掛け声も「ソラセー」「ヤーラセェー、ヨーイヤセ」「チョイナ、チョイナ、チョイナ」「ヨイショ」という独特のものです。
石山の秋の月、牡丹に唐獅子竹に虎、虎もって走るはまとうない。まとないお方に知恵貸そか。
知恵の中山千願寺、千願寺のオッさん(和尚さん)ボンさん(坊さん)で、ボンさん蛸さん入道さん。
ベーロ、ベーロ、ベロシュッシュッ。
富士の白雪ゃノーエ、富士の白雪ゃノーエ、エー富士のサイサイ、白雪ゃ朝日で溶ける。
溶けて流れてノーエ、溶けて流れてノーエ、エー溶けてサイサイ、流れりゃ三島に注ぐ。
三島女郎衆はノーエ、三島女郎衆はノーエ、エー三島サイサイ、女郎衆はお化粧が長い。
お化粧長けりゃノーエ、お化粧長けりゃノーエ、エーお化粧サイサイ、長けりゃお客が困る。
お客困ればノーエ、お客困ればノーエ、エーお客サイサイ、困れば石の地蔵さん。
石の地蔵さんはノーエ、石の地蔵さんはノーエ、エー石のサイサイ、地蔵さんは頭が丸い。
頭丸けりゃノーエ、頭丸けりゃノーエ、エー頭サイサイ、丸けりゃ、烏が留まる。
烏留まればノーエ、烏留まればノーエ、エー烏サイサイ、留まれば娘島田。
娘島田はノーエ、娘島田はノーエ、エー娘サイサイ、島田は情けで溶ける。
溶けて流れてノーエ、溶けて流れてノーエ、エー溶けてサイサイ、流れりゃ三島に注ぐ。

                      −以下繰り返し−
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